ピルとは
ピルは、もともと、避妊目的に内服されていましたが、ピルに、副効用(良い作用):生理痛が楽になる、生理の量が減って楽、生理周期が順調に、生理前の症状改善、にきびや多毛の改善、卵巣がんのリスク低下、などがあることがわかり、様々な症状で使われています。その他にも、子宮内膜症(卵巣チョコレート嚢胞)が小さくなり、痛みが少なくなる、子宮内膜症の術後の内服で、再発予防に有効、子宮体がん・良性乳房疾患・大腸がんのリスクが減る、などの副効用があります。
ピルの種類
21錠タイプ(21日間服用し、その後7日間休薬)と、28錠タイプ(21錠を服用した後、有効成分の入っていない錠剤(プラセボ)を7日間内服)があります。
個々の状態、希望により、どのタイプのものを使用するかは相談していきましょう。
ピル内服時の注意点
副作用
図に示しましたが、一番注意していきたいのは、血栓症(血管の壁に血のかたまりができる状態)です。
血栓症を疑う症状(足のむくみ、痛み、圧痛、赤み、発熱など)があり、心配なときは服用を中止し、必ずご相談ください。時に救急受診が必要なこともあります。
定期検査
血栓症発症を未然に防ぐため、ピル服用前、服用中には必ず定期検査をします。
OC/LEP服用前、1シート内服後に問診・血圧測定・血液検査以後、3ヶ月毎に受診、
1年ごとに血液検査(リスクが高い方は間隔を相談して行います)。
(子宮頚がん検診・超音波検診は所見に異常がなくても、1年に1回行います)
内服の注意点
- ピルを内服すると、太ったとおっしゃる方もいらっしゃいますが、ホルモンが原因で太ることはありません。
水分貯留によるむくみ、食欲増進作用が、個人差で現れることはあります。
- ピル内服でほぼ100%避妊効果が期待できるため、コンドームをつけずにセックスしてしまうことがあります。
そのため、性感染症にかかることがあります。感染防止するために、コンドームはしっかり着用しましょう。
- ピルを内服したことにより、妊娠しづらくなることはありません。内用を中止すれば、妊娠できる状態に戻ります。
アフターピル:緊急避妊
緊急避妊の処方をしております。ご心配な方は、性交後72時間以内に来院ください。
当院ではノルレボ錠を処方しています。100%避妊できるとはいえませんが、妊娠する危険を減少させます。
月経移動
スケジュール的に月経を移動させたい場合、内服薬(プラノバール)で日程調整できます。
内服にて、月経前に近い症状となることがあり、普段から月経前緊張症がある方は、予定が決まり次第、早めにご相談ください。
低用量ピルと同様、血栓症のリスクの高い方には処方できないこともありますので、ご相談させてください。
避妊リング
避妊リングは数種類ご用意しております。
年齢・症状によって適宜ご案内いたします。